神経を抜かないでいいパターン、抜いたほうがいいパターンとは?

1、歯の神経について

歯はエナメル質、象牙質、歯髄の3層構造からなります。歯髄には神経だけでなく血管やリンパ管があり、歯の感覚、栄養や免疫細胞を送っています。歯髄には主な目的がいくつかあります。

まず、歯髄には歯の組織(二次象牙質)を作る能力があります。これは歯を内側から強くして外部の刺激から歯髄を守るだけでなく、細菌が歯に入り込んでくることを防ぐ目的があります。

2つ目として、歯髄の神経は温度変化を敏感に感じ取ります。よく冷えた飲み物、温かい鍋料理など、冷たさや温かさを歯でも感じることで、食事をさらにおいしく楽しむことができます。

3つ目として、神経は痛みを感じます。虫歯が歯髄まで到達すると歯が痛いと感じますが、指先を切ったら痛いと同じで、体内に虫歯菌が入る危険を察知することができます。
歯の神経を抜くことは、温度などの歯の感覚だけでなく、歯から伝わって体の中に入る細菌類に対する免疫機構も除去することになります。

2、歯の神経を抜くと歯はどうなるのか

歯の神経も当然抜かない方がいいのですが、虫歯の進行度によっては、歯の神経を抜かざるを得ない場合があります。

神経を抜いた後は、歯髄の空間を専用の薬で埋め固めてしまいます。歯の内部への栄養も届かなくなります。そのため、神経を抜いていない歯に比べて、耐久性が落ちます。

3、歯の神経を抜いた方がいいパターンとは

まずは、虫歯菌の影響で歯のエナメル質に穴があき、その穴が深くなって象牙質に達すると、歯に痛みを感じるようになります。さらに奥の神経まで達すると、この痛みはさらに強くなります。虫歯菌が歯髄までに到達すると、すぐに歯の根の先まで虫歯菌が到達します。

これが歯の周りの組織に炎症を起こします。歯肉が腫れたり、膿が溜まったり、周囲の骨が溶けたりします。これ以上の炎症の広がりを避けるためには、歯の神経を抜くことが必要になります。

2つ目のパターンとして、冷たいものを飲むと痛みが出る「知覚過敏」の方で、歯の表面を専用の塗り薬でコーティングしたり、レジンという歯と同じ詰め物で覆うなどをしても痛みが収まらない場合、最終手段として歯の神経を抜くこともあります。

3つ目のパターンとして、前歯などの歯並びが悪く、綺麗な歯並びにする方法として、歯列矯正治療ではなく、かぶせ物で歯並びを整える場合です。かぶせ物の向きによっては歯髄の近くまで歯を削る必要が出ると予想される場合は、神経を取ることがあります。

4つ目のパターンは、外傷などで歯に強い衝撃が加わり、歯髄と歯の外との血流が途絶えた場合です。歯髄への血流が無くなるため、歯の神経が徐々にゆっくりと壊死していきます。この壊死により、歯が赤黒く変色したり、虫歯にかかりやすくなります。そのため、この壊死した組織を除去する必要があります。

5つ目のパターンは、歯を移植した場合です。よくあるのが、上の智歯(親知らず)を、他の大臼歯の場所に移植することがあります。この移植治療によって、4つ目のパターンと同じく歯髄の血流が途絶えます。移植して2−3週間ほど経過観察をしてから、歯の神経を取る処置が必要となります。

4、歯の神経を抜かないでいいパターンとは

まず、虫歯がエナメル質から象牙質の深さまでの範囲で留まっている場合です。この場合は虫歯の部分を染め出す専用液を使いながら、虫歯を除去していきます。

歯髄に近い部分はセメントという覆う材料で補強をした上で、歯と同じ色のプラスチック(レジン)もしくは金属の詰め物で歯の形を復元します。

5、結局、どちらがいいのか?

神経を抜かないでいいパターン、抜いたほうがいいパターンそれぞれについて述べました。それぞれ詳しく見ていくと、歯の神経を抜く必要性・理由が無いのであれば、神経は抜かずに温存するべきです。

そのためには、歯科医院での定期検診(メンテナンス)がとても重要となってきます。虫歯がない状態を維持すること、虫歯があってもエナメル質・象牙質の深さまでに処置することで早期発見・早期治療を行うことで、歯の神経を抜かずに済むようにしましょう。

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