3DS(Dental Drug Delivery System)とは、薬剤とマウスピースを使って虫歯や歯周病の原因菌を除去する、画期的な治療システムです。
歯周病や虫歯を放置していると、お口の中は細菌でいっぱい!
「食べる」「歯を磨く」などの日常の行動を通して、お口の細菌が、血管の中へ入りこみ、全身へ回ってしまいます。
歯周病菌は、口臭や歯を失う原因になるだけでなく、全身へ回ると、その毒素で体のあちこちで、様々な病気を引き起こします。
特に心臓や肝臓に巣くう細菌は、100%お口由来の細菌である事が証明されています。
お口の菌が引き起こす病気
虫歯・歯周病などが原因で血管内に細菌が浸入する 「歯原性菌血症」は、さまざまな臓器や疾患に影響をおよぼします。
- 動脈硬化
- 心臓病(狭心症、心筋梗塞)
- 高血圧
- 糖尿病
- 高脂血症
- 脳血管疾患
- 骨粗鬆症
- 肥満
- 関節リウマチ
- アルツハイマー
- 肺疾患
- 早産
- 低体重児出産
- その他
3DSは、それらの原因菌を除去し、お口の中の環境を改善することで、全身の健康改善にまで着目した治療法です。
成人だけでなく、乳歯の時期のお子様も対象となります。
3DSの適応症(治療するのが望ましい人)
体内に人工物を埋め込んだ方
- 歯科インプラント(人工歯根)
- ペースメーカー
- 人工心臓弁
- 血管ステント
- 人工関節
- 血管クリップ
これらを体内に埋め込んだ方は、人工物の表面に、お口の細菌がこびりつき、毒性化してしまうことがあります。
特に、「歯科インプラントのある方に、3DSは大変重要である」と、言われています。
妊娠中の方
お口の菌が全身に回って、菌血症になり、子宮が収縮して、早産のリスクが高まる事があります。
また、出産後は、ミュータンス菌の赤ちゃんへの感染予防にも、3DSが有効です。
人工透析を受けている方(重症の糖尿病、腎臓病)
糖尿病や腎臓病は、歯周病との相互作用によって、それぞれの病気を悪化させます。
重度の虫歯
特に乳歯から永久歯に生え変わる際の、ミュータンス菌の感染防止に有効です。
予防歯科は予防医療
お口の健康を保つことは、全身への疾患を抑えることにもつながります。
日頃から、きちんと歯磨きなどメンテナンスをしっかりしているのに、「虫歯」や「歯茎の腫れ(歯周病)」を繰り返してしまう方などは、一度「3DS」を歯科医医師に相談してみてもよいかもしれません。