歯磨きが一日一回でダメな理由は、お口の中の不衛生さが常態化してしまい、虫歯や歯周病などの細菌感染リスクが高まるからです。
食後の歯磨きの必要性
食後の歯みがきがなぜ必要なのかについては、歯磨きにより細菌が酸を排出する活動を抑制し、中性に保つためです。
歯は食事の際に上下の歯で噛み合わせて咀嚼を行います。
前歯で食べ物をちぎり、奥歯で食べ物をさらに小さくすりつぶし、すりつぶした食べ物は唾液と共に消化管へ送り、体内に栄養を吸収します。
お口の中に虫歯菌を保有している方が、歯と歯の間、歯と歯肉の間に小さな食べ物を詰まらせたまま放置しているとどうなるでしょうか。
虫歯になる流れ
歯磨きをしていないお口の中はこのような流れで虫歯になります。
- 虫歯菌が食べかすの糖分を取り込み酸を排出する
- 歯に付着した歯垢の中で細菌が増殖する
- 口腔内が酸性に傾き、固い組織である歯のエナメル質が溶ける
- 溶かした部分から穴が開き、そこから細菌が歯の内部へ侵入する
- 象牙質、神経(歯髄)など更に内側に入り、神経が死に膿が顎の骨の中に出来てしまう
- 歯ぐきから露出している白い歯の部分が抜ける
歯磨きが一日一回ではダメな理由
歯磨きが一日一回でダメな理由は、口腔内を清潔に保てないからです。
とはいえ、強い力で歯をこするように磨くのはかえって逆効果になります。
時間をかけてやさしく丁寧に磨くと歯のエナメル質を傷つけず、歯面を細かくみがくことができます。
歯みがきの頻度を以前厚労省が調査したところ、一日二回という回答が一番多かったようです。
昼はやはり外出している人が多いため、なかなか食後に歯を磨けないのでしょう。
昼食後に歯みがきを行えない環境にいる方は、うがいをおすすめします。
歯磨きは自宅で行える最大の予防
歯に食べかすや歯垢を付着させたままでは、ねばねばとしたバイオフィルム(細菌の塊)や歯石の原因になります。
歯や歯肉溝、歯周ポケットに沈着すると、歯周病や着色汚れ、虫歯のリスクが高まります。
これらを予防するためには、毎日自宅で歯磨きを行い、プロのメンテナンスを定期的に受診することです。
プロのクリーニングの必要性
セルフケアだけでは、どうしても歯垢やバイオフィルムが残ってしまいます。
何日も歯垢が取れなければ唾液の成分と結合し、歯石となり沈着します。
エアフローやスケーラーなど歯科衛生士による専用器具を使用したクリーニングを定期的に受けることで歯石やバイオフィルムが除去でき、歯の表面もつるつるとした綺麗な歯になります。
また、歯周病や虫歯になっても早期に対処することが可能なので、ご自身の歯の健康を長く保つという意味でも、定期健診に行く必要があります。
就寝前の歯磨きをしっかりと
特に就寝前の歯磨きは、フロスや歯間ブラシ、タフトブラシを使用してブラッシングを行いましょう。
眠っている間は、唾液の分泌が少なく口腔内が乾燥してしまうため、虫歯や歯周病が進行しやすい時間帯です。
歯間や歯肉、歯周ポケットなどをしっかりと歯ブラシの毛先や、歯間ブラシ、デンタルフロスで掃除し、食べかすや歯垢を除去しましょう。
歯磨きが一日一回でダメな理由のまとめ
歯磨きが一日一回でダメな理由としては、口腔内が不衛生になってしまうからです。
- 就寝前の歯磨きを丁寧に行うように注意する
- 定期的にクリーニングをしてもらい、歯周組織を健康に保つようにする
患者さんご自身の歯で長く健康に保てば、結果的に歯医者さんへかかる費用を抑えることに繋がります。
食後に歯磨きできる場合は行えればベストですが、難しければ就寝前により丁寧な歯磨きをするように心がけましょう。