歯並び・かみ合わせが悪くなるのは日常の「癖」が原因の一つです。
歯並び・かみ合わせを悪くする様々な癖
指しゃぶりや、何かを噛む癖は、持続的に歯やあごの骨に力をかけ続けるため、長期間続くと歯並びが悪化したり、骨の成長に影響が出ることがあります。
指しゃぶり
指しゃぶりを続けていると、歯とあごの骨に力がかかり続け、出っ歯を招きます。
下唇を噛む癖
下唇を噛む癖も同様に、出っ歯の原因になります。
爪を噛む癖
爪を噛む癖は、1本だけ歯が前に出る原因になったり、すきっ歯を招くことがあります。
タオルをかむ癖
タオルをかむ癖は、前歯のかみ合わせが合わなくなる「開咬」の原因になります。
ほおづえ
ほおづえは、どの部分が押されるかによって歯並びに与える影響が変わってきます。例えば、両方ほおづえをついている場合、押されている部分の歯が内側に引っ込んでしまいますし、あごの真下にほおづえをつく場合だと、かみ合わせが深くなったり、出っ歯に見える原因になります。
うつ伏せ寝、いつも同じ側を下にして寝る癖
うつ伏せ寝や横向き寝でいつも同じ側を下にして寝ている場合、それが毎日数時間続くことで、あごの骨の成長に影響が出てきます。
口呼吸
鼻で呼吸せずに口で呼吸をしていると、歯並びや骨格だけでなく、健康にも影響が現れます。
<歯並び・骨格への影響>
口で呼吸していると、上あごが未発達になりやすく、出っ歯になりやすくなります。また、口で呼吸しやすいようにあごが発達するため、アデノイド様顔貌(口元が出ている口ゴボ)になってしまうことがあります。
<健康への影響>
鼻を通さず、喉に直接外気が行くため、風邪にかかりやすくなります。また、お口が乾きやすいため、虫歯や歯周病にかかりやすくなります。
さらに、口呼吸によって、お口の粘膜が炎症を起こすと、白血球やリンパ球の機能に異常をもたらし、免疫力を低下させて花粉症、アトピー、糖尿病、白血病、高血圧の様な病気を引き起こしやすくなるとも言われています。
お口が正常に機能している状態とは?
お口周辺の骨・筋肉バランスが保たれている状態とは次のような状態です。
- 鼻呼吸をし、口がポカンと開いていない
- 舌の位置が正しいポジションにある
- 噛む力が十分にある(こどもで20kg、大人で30kg)
- あごの位置が正しい、正常に発育している
- 姿勢が良い
※お口が正しく機能していることが、あごの骨は正しく発育し、歯も好ましい位置に並んでいくための必要条件になります。
次のような場合は注意が必要です
- 目が眠そうに垂れている
- 下膨れ顔である
- 口がポカンと開いている
- 食べ物が口からこぼれる
- 風船をふくらませられない
きれいな歯並び、きれいな骨格を作るために
歯並びの悪さは食生活の習慣と大きく関わっています。
きれいな歯並び、骨格を作るためにはまず、食生活から見直してみましょう。
大事なポイントは、「よく噛むこと」「正しい姿勢で食べること」です。
食材は大き目に切って
食材を小さく切り過ぎてしまうと、あまり噛まずに食べられるので、かむ回数が減ってしまいます。
食材を大きめにしておくことで、前歯でかみ切り、奥歯ですりつぶすという、歯の本来の機能を十分に引き出すことができます。
噛みごたえのある物を取り入れる
最近はあまり噛まなくても食べられるような、やわらかい食べ物であふれています。
ぜひ、食事の時には、生野菜などを取り入れたり、白米に玄米や雑穀を混ぜるなどの工夫をし、噛む回数を増やせるようにしましょう。
歯ごたえを残す工夫を
噛む回数は、同じ食材であっても調理の仕方により変わってきます。
例えば、切り方、熱の加え方、水分量などにより食感が変わるため、なるべく歯ごたえを残すような調理の工夫をしていきましょう。
野菜は繊維を残すような切り方を、肉は柔らかく煮込むよりも歯ごたえを残すような工夫をする、など、ちょっとしたことで変わってきます。
食事中に飲み物を飲ませない
食べながら飲み物を飲む癖をつけていると、よく噛まないまま丸飲みする事につながります。
本来しっかり噛んでいれば、唾液が出てきて、水やお茶なども必要ないものです。
飲み物は食事の前、もしくは食事が終わってから飲ませるようにしましょう。
食事中の座り方
食事中の姿勢も大事です。
椅子に座って足がブラブラすることのないようにしましょう。
足が安定しないと、体が安定せず猫背になります。
猫背になると、頭でバランスを取ろうとしてしまうので、噛み合わせる位置がおかしくなってしまうことがあります。
また、テーブルとの距離も大事です。
テーブルから体が離れすぎると、やはり猫背になってしまいます。テーブルと体の距離はこぶし一つ分くらいがちょうど良いでしょう。
最後に
歯並び・かみ合わせを悪くするような癖は早くから改善する方が理想です。
実際、歯並びを悪化させている原因の一つは、日常的に行なっている様々なお口周辺の癖です。
このような癖を治さない限り、せっかく治療してもまた歯並びが悪くなってしまう危険性があります。