キシリトールについて

キシリトールについて

キシリトールはコマーシャルなどによって、名前はよく知られてきましたが、その安全性や性質、さらにはなぜむし歯予防に効果的なのかといった大切なことが、あまり知られていないように思われます。そこでキシリトールについてよくあるご質問をまとめました。

キシルトールは安全なの?

キシリトールは天然素材の甘味料で、シラカバやカシを原料におもにフィンランドで生産されています。私たちの身近なところでも、イチゴやラズベリーなどの果物やレタスやホウレンソウ、カリフラワーなどの野菜などに含まれているものです。また体内でも、肝臓で1日に5~15g 生産されています。

その安全性はWHO(世界保健機構)でも認められており、とても安全な甘味料だといえます。

簡単にいえば、ある程度の量を継続的に摂るとむし歯菌が減る、と考えていいでしょう。

少し難しい話になりますが、砂糖の場合、糖をミュータンス菌が分解し発酵させて酸を作り出します。その酸によって歯のエナメル質が溶かされ、むし歯ができてしまいます。一方キシリトールの場合は、ミュータンス菌によって発酵せず、むし歯の元となる酸が発生しません。

しかもグルカン(ブドウ糖がいくつも重なってできる多糖類の総称)を作るタイプのミュータンス菌は、菌体内にキシリトールを取り込むことで、エネルギーを消耗して活性が弱まります。そのため長期にわたってキシリトールを摂取することで、グルカンを作らないタイプのミュータンス菌(キシリトールを代謝できるタイプの)に置き換わり、歯垢が歯面よりはがれやすくなるのだと考えられています。

これらが、むし歯予防に効果的だとされるおもな理由です。

効果的な分量の目安は5~10g。当院で扱っているガムなら4、5個 タブレットなら 10粒になります。食事やおやつの後に摂るようにすると効果的 です。

キシリトールの効果的な摂り方

  • 1日を通して少量を回数多く摂る
  • 1日の摂取回数は3~5回
  • 週に6日は続ける

3か月続けると、歯垢がさらさらになってきます。

ブラッシングは必ず必要です。キシリトールを摂ると歯垢がブラッシングによって落ちやすくなりますが、ブラッシングが必要でなくなるわけではありません

そうではありません。キシリトールの濃度も大切です。

フィンランドでは、50%以上キシリトール含有のものが、むし歯予防に効果があるとされています。ここで注意したいのは、日本ではキシリトール入りなら売れてしまうので、何でもかんでもキシリトールが入っています。ひどいものになると、水飴や砂糖などむし歯をつくる原因になる材料も一緒に含まれていることがあるのです。

製品の記載で、水飴や砂糖などが含まれていないかチェックが必要になります。

キシリトールは消化されにくく、一度に食べ過ぎるとお腹がゆるくなる場合もあります 。これは体がキシリトールを早く消化しようとして腸管壁から水分を引き出し、腸の中の水分が増えたためです。

一時的なものですから心配はいりませんが、お腹がゆるくなるようであれば食べる量を調節してください。

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