子供たちの口呼吸の弊害

子供たちの口呼吸の弊害

子供さんの診察にあたると、気になることがたくさんです。虫歯や歯肉炎、歯並びといった、直接歯科に関係あることはもちろんですが、それ以外のことも多くあります。

その中でも、最も気になるのは、口の周りの筋肉です。

唇や舌の力が弱いお子さんが多いのです。

いわゆる”ぽかん顔”のお子さんです。唇は赤ちゃんのようにふっくら、ひきしまっていない、舌は、その開けっぱなしの口からのぞいています。
しかも、舌の力が弱いので、あっかんベーをすると、思いっきり下に下がります。

そして、そういうお子さんは、間違いなく口呼吸です。

口の周りの筋肉が弱いと、歯並びにも影響しますが、今日は、口呼吸についておしゃべりしてみましょう。

口呼吸をしているお子さんは、体のすみずみまで酸素がいきわたっていないと言われます。

人間の細胞の一つ一つは、酸素を必要とします。そえれをは運ぶのは、血中のヘモグロビンです。ヘモグロビンは、体の色んなところで、細胞に酸素を受け渡します。

ヘモグロビンは、細胞の二酸化炭素が多いとこには、必死で、たくさんの酸素をおいていきます。

つまり、細胞の中の二酸化炭素が少ないところでは、酸素を置き惜しみするというわけです。

さて、口呼吸と細胞中の二酸化炭素というのは、大きく関係しています。
口で息をすると、鼻で息をするより、ちょっとした過呼吸の状態になっているそうです。

口で息をする人は、日常的に過呼吸状態で、細胞の二酸化炭素をどんどん外に捨てているというのです。

その結果、ヘモグロビンは、細胞で酸素を置き惜しみしてしまいます。

口呼吸の子供たちは、(大人もですが)鼻呼吸のお子さんより、体の隅々に酸素が行ってないということになります。集中力がなかったり、すぐに疲れてしまったり、そんな、日常生活でのお困りごとが出てきているかもしれません。

では口呼吸を治すにはどうしたらいいでしょう。答えは一つではありませんが、舌の筋肉の力、顎の位置など、口の周りの筋肉や形態、歯並び、と言ったものも、改善のカギになります。

そういうことを、診療中にお話ししていると、ついつい力が入ってしまいます。

歯科といっても、ずいぶん、奥が深いものだ、と日々感じています。

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