かみしめぐせについて(TCH)

かみしめぐせについて(TCH)

ひょっとしたらあなたは歯ぎしりやくいしばりをしているかもしれません。

気づかないうちに歯ぎしりや食いしばりをすることでストレスが発散されることがありますが、実は歯ぎしりをすることは歯を傷つけてしまう原因の一つと考えられています。
これは「ブラキシズム」と呼ばれていますが、この動作がなぜ起こるのかについてははっきりとはわかっていません。

かみしめぐせは発見しにくい!

■メカニズムがはっきりわかっていない

ブラキシズムをしてしまう原因として今まで
・部分的な要因(口の中の原因)…咬みあわせの異常
・身体的の要因(精神的な原因)……普段の生活でのストレス遺伝などです。
上記2点が言われていました。

しかしそのメカニズムについては未だにはっきりとした原因がわかっておらず、専門家のなかでも意見が分かれています。

■ブラキシズムは気づきにくい

ブラキシズムは気づかないうちにされていることがほとんどです。
身近な人から夜寝ている時に歯ぎしりをしていると言われた事があるかもしれませんが、そうでない場合は本人でも気づかない、または知らないことがほとんどのようです。

また起きているときでさえ無意識にされているため、全く自覚していない方がほとんどです。
その原因としては、歯ぎしりをしていても音がしない、また起きている時の歯ぎしりは無意識でされていることなどが言われています。
また食事をとるとき以外でも、上と下の歯が噛み合っているのが普通だと思っている人が多いです。

かみしめぐせはどうして問題なの?

かみしめぐせは体にいろいろな影響を及ぼします。

1.歯の変化

・歯が摩擦によってすり減る
・冷たさや温かさに敏感になる(知覚過敏)
・虫歯などにつめた詰め物が外れやすい
・歯が割れたりひびが入ったりしやすい
・歯周病が悪化しやすい

2.さまざまな器官への影響

・顎に不調をきたす(顎関節症)
・口の周りがこわばって痛みがある
・あごがずれる
・表情が変わってしまった
・慢性頭痛や肩こりがひどい

かみしめぐせ問診表

あてはまる項目に○をつけてみてください。

【レッドゾーン】
(  )家族から歯ぎしりをしていると言われたことがある
(  )集中力が高い時や緊張しているときに、気づいたら歯を咬みしめていることがよくある
(  )歯科医師から「歯ぎしりをしていますか」と質問されたことがある
(  )自然に歯が欠けたり割れたことがある
(  )頬の内側に咬みしめた跡が残っている
(  )歯が摩擦ですり減っている
(  )ひどく肩こり症である
(  )偏頭痛など慢性頭痛に悩んでいる

上記のレッドゾーンのチェック項目で3つ以上該当する方は、ほぼブラキシズムがあるでしょう。

【イエローゾーン】
(  )歯医者で詰めた詰め物がよくはずれる
(  )犬歯やその周りの歯がすり減っている
(  )起床時に口の周りが緊張している
(  )歯ぐきが硬く出ているところがある
(  )歯の付け根がくぼんでいる
(  )冷たいものや暖かいものを口にすると歯がしみる(知覚過敏)
(  )口を開くと痛みがあったり、ガクガクと音が鳴ったりする
(  )エラが張っている
(  )ストレスが蓄積しやすい

レッドゾーンで1つでもあてはまり、こちらのイエローゾーンが3つ以上該当する方は、「ブラキシズムの可能性が高い」といえます。

かみしめぐせへの対応

1.歯医者さんでやること

1)虫歯などがある場合は自前に治療を済ませておく
2)かみ合わせに問題がある場合は治す
3)定期的に通院して、歯のクリーニングを受けておきましょう
4)歯ぎしりが激しい場合は、“マウスピース”をつけて歯や顎骨がすり減らないようにする

2.自宅で行うこと

1)歯ぎしりやかみしめ癖のチェック—問診票でかみしめ癖を確認
2)考え方を変える———————硬い食べ物は歯にいいと思って、無理して食べていませんか?
3)食事をする際の注意

①ゆっくり30回を目安に、しっかり噛んで食べる
②左右両方の奥歯を使って食べる

食べる時に注意してほしい食べ物

※歯が欠けたり、ヒビが入ったりする可能性があります

・硬いせんべい
・カニの甲羅やあしの丸かじり
・フランスパンのような硬いパン
・飴や氷を噛み砕く
・なかなか噛み砕けないナッツ類(梅干しの種やナッツ類の殻など硬い殻を歯で噛み砕かないようにする)
・イカ・スルメ類
・牛すじ、骨がついた肉、スペアリブなど

3)日常意識することとやってみること(特にくいしばりタイプ)

■意識すること

①口を閉じて、上下の歯を離すようにする
②上下の歯がかみ合っている場合は、すぐに離す
③口やほっぺ、あごなど口のまわりの力を抜いてリラックスする

■やってみること

①「今、上下の歯は当たっていませんか?」と書かれた紙を目のつきやすい所に貼り、見るたびに歯を離す
②頬づえをつかないようにする
③重たい荷物を持ったり、激しい運動をするときは普段以上に気をつける
④かみしめや歯ぎしりの習慣を改善する一番いい方法は、口を閉じている状態で上下の歯が離れている感覚を覚えることです。
「口を閉じて、上下の歯を離し、顔の力を抜く」ことを意識してみてください。

4)寝る時に気をつけること(寝ている時の歯ぎしりタイプ)

①寝る前に「口を閉じて、上下の歯を開けておく」と20回ほど声に出して、自己暗示をかけます。
②全身の力を抜き、その日のストレスを解放し、次の日の朝首の周りがリラックスした状態で目がさめる想像をする
③寝ている間にかみしめやすくならないように低い枕にする
④ひどい場合は歯医者さんでマウスピースを作ってもらいつけた状態で寝る
⑤通常、「上と下の歯がかみ合わさるのは、ものを噛むときと飲み込むときだけ」ということを知っておいてください。

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