歯周病と全身の関係

歯周病と全身の関係

歯周病とは

  1. 歯ブラシ不足などにより、歯と歯肉の境目(歯肉溝)に汚れである歯垢(プラーク)が溜まる。
  2. 歯垢(プラーク)中の細菌が感染を起こし歯肉に炎症が起こり歯肉が脹れてポケットができる。この状態は歯肉炎 と呼ぶ。
  3. ポケットの中にさらに色々な細菌が入り込み細菌の塊(バイオフィルム)を形成する。バイオフィルムはネバネバ した膜で覆われているため、殺菌剤が中へ入って行けず殺菌が難しいとされている。
  4. 細菌自体の出す酵素や毒素が炎症を促進する。
  5. 細菌の感染に対して体は防御機構(免疫)である白血球などを出して対抗するが、防御反応自体も炎症を持続・拡 大させる。これが歯肉炎から歯肉の破壊や歯を支えている骨(歯槽骨)の喪失(吸収)が起こり、この状態になると歯周 炎(歯周病)と呼ぶ。
  6. これらの炎症が繰り返されると本来体に必要な、骨を作るための細胞と骨を破壊するための細胞(正常な状態で も骨はこれらの細胞により新陳代謝をおこなっている)のバランスが崩れ歯を支えている骨(歯槽骨)の喪失(吸収)が 進む。

以上が歯周病の発生の順序ですが、歯周病はそれ以外の全身的な病気にも関与していると言われています。

喫煙

たばこの中のニコチンなどの作用により歯肉の血管が収縮して細菌と対抗する白血球などの免疫が働かなくなり歯周 病の進行が速くなります。

糖尿病

2型糖尿病は膵臓から分泌される血液中の糖分をコントロールするインシュリンの分泌が低下し、血液中のブドウ糖 (血糖値)が多くなっている状態です。

歯周病の炎症があると、体を守ろうとするために免疫が働き、その結果産生されるサイトカイン・TNF-αという 物質が増加して、インシュリンの働きが阻害され血糖値が上昇し、糖尿病の症状が悪化します。

逆に、歯周病の治療を行うことによって糖尿病の状態が改善されるとの報告もあります。

これ以外にも各疾患と歯周病との関連が指摘されて、研究されているものに以下のものがあります。

  • 循環器障害(動脈硬化、心内膜炎、脳血管障害)との関係
  • 肥満(メタボリックシンドローム)との関係
  • 早産・低体重出産との関連性
  • 骨粗しょう症との関係
  • 誤嚥性肺炎との関係

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