- 入れ歯の治療はがんばって受けたのに全く食事が咬めない
- 口臭がひどくて部屋中に悪臭が漂うようになった
- 最近よく発熱するようになった
- 鼻から息が漏れて声が思うように出なくなった
- ”胃ろう”や”経鼻栄養”をしていたが、その後口から食事が摂れなくなった
- 口の中に汚れが頑固にこびりつきすぎてどう口腔ケアしていいのかわからない
- 歩行などのリハビリを受けているのに食いしばれなくて力が入らない
以上のようなことが該当されていないでしょうか?
これらの原因の中で摂食・嚥下障害が問題であることはとても多いです。
治療の流れ
1.摂食嚥下サポートのお申し込み
摂食嚥下障害患者様のご家族もしくは関わられるケアマネージャーや看護師などの医療・介護担当者の方から当院に依頼していただきます。
2.治療前のヒヤリング
ご依頼いただけたら当方より患者様ご本人のお身体の状況・服薬の状況、家族構成、症状の推移など、今後の治療を円滑に進めるための内容をヒアリング致します。
3.嚥下スクリーニング検査
RSST(反復唾液嚥下テスト)、MWST(改訂水飲みテスト)、FT(フードテスト)、CT(咳テスト)、頚部聴診、パルスオキシメーターなどのスクリーニング検査を行います。
4.嚥下精密検査
- VE(嚥下内視鏡検査):嚥下状態を直接観察するため鼻から極細の内視鏡を入れて嚥下の状態を直接観察します。訪問現場でも手軽に行えます。ほとんど痛みも無いので安心です。
- VF(嚥下造影検査):嚥下状態をレントゲン動画で評価します。必要に応じて連携先の京都第一赤十字病院などに依頼いたします。
5.嚥下間接訓練
嚥下に必要な筋肉や感覚を回復させるためのリハビリを使わずに行います。著しい嚥下障害のある方はこの間接訓練を行って、最低限の機能を回復させてからでないと、食事を用いた直接訓練も安全に行えません。
地道な取り組みが求められますが、食べられるようになるためには必要なことなので、根気よく訓練を行っていただきます。
この間接訓練は効率よく進めるため、上記の嚥下検査の結果をもとに組み立て、看護師・言語聴覚士・理学療法士など関係職種の方々と緊密に連携を取りながら実施します。
6.嚥下直接訓練
実際に食事を摂っていただいて訓練を行います。全く嚥下能力が確認出来ない方で、直接訓練をいきなり行うのは非常に危険ですので、事前の検査や間接訓練の結果を踏まえてからになります。
間接訓練の時に連携している職種以外に、管理栄養士の方々とも緊密に連携を取りながら進めていきます。
7.嚥下補助装置
舌の動きが悪くて口腔内で真空状態を作ることが出来なければ、口の中の食べ物を喉に送り込むことはできません。そのようなケースで舌の間接訓練を行っても不十分な場合、舌接触補助床(PAP)と呼ばれる装置を用いることがあります。
また口の息が鼻に漏れてしまうやはり口の中の食べ物が喉に運ばれなくなります。そういった場合、軟口蓋挙上装置(パラタルリフト)やスピーチエイドといった装置を用いることがあります。