「歯を白く、明るくしたい」という希望をかなえるためには、歯の変色の原因を知ることが必要です。
変色の原因は、大きくわけて「外因性」と「内因性」のものに分けられます。
外因性
- 磨き残し、簡単にいえば、歯の表面の汚れ。歯と歯肉の境、隣の歯との間に汚れがつきやすいです。
- 喫煙
- コーヒー、紅茶、ウーロン茶等の飲食物
- むし歯
- 修復物による変色
金属性の修復物を行うと、歯を変色させることがあります。もうひとつは、修復物自体の色が歯質を透過して変色しているように見えることがあります。
前者の代表例として、アマルガム充填による歯質の黒ずみがあげられます。
その他にも、レジン充填の経年劣化(収縮)による汚れの蓄積などがあります。
※1・2・3については、歯のクリーニングによってその方が本来持っている歯の美しさをとりもどせます。
【内因性1】
疾病や外傷、あるいは薬剤の副作用を原因としますが、影響を受けた時期により2つのタイプに分けられます。
- 萌出前の影響 歯の萌出前に影響を受けた場合は、ほぼ歯列全体に変色を起こす特徴があります。
テトラサイクリン系の抗生物質を原因とする変色は日本でよくみられます。
テトラサイクリン系薬剤の生産量は昭和40年代(1965~1970年)に多く、この時期に新生児から6歳くらいまでであった子供たちに最もテトラサイクリン歯の出現が多いとされます。 - 萌出後の影響 歯の萌出後に影響を受けた場合、変色の多くは歯列全体ではなく、1歯だけに限定されることが特徴です。
打撲やむし歯の進行による感染などによって神経が死んでしまうと、健全歯より暗い灰色から褐色、あるいは黒褐色を呈することがあります。
【内因性2】
- 加齢
正常な歯でもその色にはかなりの個人差があります。これはエナメル質の厚さや光の透過性、象牙質の色や厚さなどによって決定されます。一般的には乳歯は白っぽく、永久歯はやや透明な灰色系や黄色系の白色です。
加齢とともにエナメル質は咬耗や摩耗によって薄くなり、象牙質は黄色味を増していきます。
※加齢による変色は「ホワイトニング」の最適な症例で効果が簡単に得られ、明るく若返った歯になります。
加齢による変色の原因
- 食品、飲料、ニコチンなどが沈着し、強固に歯面に付着する。
- 咬合などで生じた亀裂、あるいは咬耗によるエナメル質表面に色素が入る。
- エナメル質が次第に透過性が向上する。
- 象牙質の厚みが増し、黄褐色が強くなる。
歯の色で年齢がわかります。
歯の色を見ると、患者さんのだいたいの年齢がわかります。加齢によって歯の色は変化するからです。セラミックをつくる際にも、患者さんの年齢を修復物に反映させ、より自然に見えるように製作していきます。
歯の色調は加齢によって変化していきますが、その変化は象牙質の色調変化が表面へ反映してくるのが大きな要因です。
つまり加齢とともにエナメル質の透明度が増し、その奥の象牙質の色調が、徐々に反映しだします。
また象牙質が全体的に暗い色調にしていくのが加齢変化の特徴です。
若者に見られるホワイトな色調は、加齢によって明度が下がるとともにオレンジがかった色調へ、さらにブラウンがかったより低明度な色調に変化していきます。
審美修復においては、エナメル質の厚さや象牙質の色調変化などの表現が最も重要なものと考えられます。
歯が汚れてきたなくなってきた!
歯の表面の着色は、歯冠形態や歯のザラザラ感やツルツル感、歯並び、咬合不正などによっても汚れを増加させる原因となります。
- 喫煙
- コーヒー、紅茶、ウーロン茶
- コーラ
- 赤ワイン
- ヨード入りうがい薬、ヨード入り歯みがき粉
等の常飲により着色されます。
着色の程度、質はこれらの嗜好品の種類、摂取していた期間、頻度によって影響を受けます。
特にヨード入りのうがい薬や歯みがき粉は、歯に付着すると落ちにくい汚れのひとつです。