今回は高齢者がなりやすい「根面う蝕」について説明していきます。
根面う蝕とは?
歯茎が下がって露出している歯の根(歯根)に虫歯がある状態のことです。
高齢化が進む昨今。日本歯科医師会によると、80歳になっても自分の歯を20本残す8020達成者は51.6%と過去最高を更新しました。(2022年時)
日本口腔保健協会HP
健康な歯を残すことはお口のQOLを維持するために重要です。しかし、自分の歯が残っていてもその歯にダメージがあっては意味がありません。
高齢者のお口のQOLを下げている大きな原因が、歯の根元の虫歯・根面う蝕(うしょく)です。
根面う蝕の原因
根面う蝕の原因は大きく2つあります。
1つは歯の根元が出てきやすくなること。高齢になると、歯周病などで歯ぐきが下がり、歯の根元が露出しやすくなります。
歯の根元は、エナメル質に覆われておらず、歯の頭の部分より虫歯になりやすいです。
歯の頭の部分より酸に弱く、虫歯になると一気に進行してしまいます。
もう1つは唾液の分泌量です。
お口の中は常に中性に保たれているのですが、それを維持するキーとなるのが唾液。唾液は虫歯菌によって作られた酸を中和し、お口の中を中性に保つ効果と虫歯菌で溶けた歯を直す効果があります。
年を重ねると唾液の分泌が減り、服用している薬によってはさらに分泌が減ってしまいます。
また、口周りの筋肉の衰えにより口の中が乾きやすくなり、お口の中が乾きやすくなると、虫歯のリスクが上がります。
この2つの原因が重なって、お口の環境が悪くなり、これまで健康なお口を維持してきた高齢者の方が、根面う蝕に苦しむことが増えています。
根面う蝕を避けるためには、今まで以上の丁寧なケアと歯科医師による検診が必要になります。
根面う蝕のセルフケア
根面う蝕を避けるためには、今まで以上に丁寧なケアが大切です。
虫歯を防ぐために必要なことと言えば、歯磨きですよね。まずはお家でできる歯のケア・歯磨きについて説明します。
まず、使う歯磨き粉を変えていきましょう。
虫歯予防と言えばフッ素ですが、根面う蝕防止にも有効です。
フッ素の濃度は高ければ高いほど効果があり、1回あたりの量ももったいぶらずに使いましょう。
使用量の目安は歯磨きのヘッドが埋まる程度(1.5〜2cm)です。
続いて磨く時間ですが、2分以上歯を磨くようにしましょう。
根面う蝕が起こる歯の根元は歯の頭の部分より柔らかく、力強く磨くと傷つきやすくなります。
小刻みに動かして、歯を傷つけないようにブラッシングしましょう。
歯の根元に大きな隙間ができている状態であれば、デンタルフロスではなく歯間ブラシを使って歯垢を落とすようにしましょう。
歯磨き粉が歯全体に行き渡ったら、フッ素が歯に残るようにすすぎます。
すすぎすぎるとフッ素が落ちてしまうので、1〜2回で十分です。
歯科医院で行う根面う蝕ケア
セルフケアはもちろん、歯科医院での定期的なケアも大切です。
毎日丁寧にブラッシングをしても、磨き残しはどうしても出てきてしまいます。
その磨き残しをプロの目で確認してきれいにすると、より根面う蝕のリスクが減ります。
歯科医院ならフッ素入り歯磨き粉より高濃度のフッ素塗布もできるので、3〜6カ月に1回は通院するようにしましょう。
いくつになっても、定期的な歯のケアが歯の健康につながります。
人生100年時代となった今、丁寧な歯磨きと定期健診を日々のルーティーンに盛り込んでおきましょう!

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