骨粗鬆症とインプラント その2

骨粗鬆症とインプラント その2

最近骨粗鬆症の患者さんが増えてきました。

しかし骨粗鬆症の患者さんはインプラント治療時に注意が必要です。

 

BH(ビスホスフォネート)製剤(以下BH製剤)を服用している方はインプラント治療だけでなく、一般的な口の中の外科的な処置にも留意が必要です。BH製剤を服用している患者さんのビスホスホネート系薬剤関連顎骨壊死(=BRONJ)が増加しているからです。

 

骨は毎日吸収と添加を繰り返していることは前回説明しました。

骨の添加より吸収が多くなった時の病態が骨粗鬆症です。この時によく使用されるのがBH製剤。

このお薬の特徴を説明しましょう。

ビスホスフォネートは、破骨細胞を抑制し、骨代謝を止めて(骨密度)を減らさないようにする薬物です。破骨細胞が抑制されれば、結果的に、骨芽細胞も抑制されるので、古くなった骨も破壊されないが、新しい骨も作られないこととなります。

したがって、ビスホスフォネートを使用し続けると、体内には古い骨ばかりが増えていき、骨質が低下し、骨折リスクが高まります。また、ビスホスフォネートは免疫を抑制する薬物であるため、白血球の機能を低下させるリスクが上昇するとも言われています。

残念ながら骨粗鬆症の予防と称して同薬物の処方が盛んに行われているようです。ですから歯科においても抜歯が必要な時にBRONJの危険性があるのでBH製剤の休薬など、リスクについての説明などをしっかりする必要があります。またBRONJの問題だけでなく、将来の顎骨の脆弱化や発がんなどの多種の問題にも備えておかなければならないと思われます。

歯科医師は顎骨と口腔の健康を守るために、同薬物の使用よりももっと安全な方法で骨強度を守る方法があることを患者にアドバイスする責任もあるかと思われます。

具体的には、他の機会に譲りますが、食事指導、ホルモン総合検査とナチュラルホルモン補充、酸化と糖化のコントロール、効果的なビタミンDなどのサプリメント投与と点滴療法などがあると思われます。

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